公開日:

2025/03/28

ShopBotは"切る"だけじゃない! 刃物を知って広がる加工の世界

「ShopBot」と聞くと、木材をカットするためのCNCルーターを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実は、ShopBotに装着する刃物を使い分けることで、切るだけでなく、削る・彫る・穴をあけるなどといったさまざまな加工が可能になります。本記事では、デザインの幅を広げる、ShopBotでできる加工の種類をご紹介します。

ShopBotは“切る”だけじゃない!

VUILDが提供するEMARFでのものづくりに用いられる3軸CNCルーター「ShopBot」。その用途は、単に木材を切断するだけにとどまりません。刃物は、主に切削加工用と特殊加工用のものに分かれており、前者では材料の厚みや特性(硬さやバリの出やすさなど)、後者では加工したいデザインに応じて適切な刃物を選ぶことで、ものづくりの可能性が広がります。

また、VUILDがShopBotツールShopで取り扱う刃物の種類(6カテゴリ・計46種)からもわかるように、その中でも長さや太さも様々なので、加工対象に応じて臨機応変に対応することができます。以下で、切削加工用以外のビットでどんな加工ができるか、ご紹介します。

【穴をあける】ドリルビット

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穴あけ専用のビットで、主に貫通穴・ダボ穴・ネジ穴など、さまざまな用途で活躍します。多数の穴をあけることで模様を描くような装飾用として使われた事例も多くあり、穴の大きさや数で様々な応用ができそうです。

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【掘る】Vビット

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先端がV字に尖っているのが特徴の「Vビット」は、細かい文字や装飾模様の彫刻、木口を斜めにする面取り加工などに適しています。特に、文字や模様の掘り込みでは、線の太さや深さを調整しながら繊細なラインを刻むことができるため、シャープで美しい仕上がりになります。

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90度のVビットで面取りしたテーブル

【削る】ボールビッド

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先端が球状になっており、なめらかな曲線や立体的な造形物を削り出すのに向いている「ボールビット」。この刃物を使うことで3D切削が可能になるので、立体的な質感の加工をすることができます。


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【削る】面だしビット

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広い面を削ることができ、主に材料固定面をフラットにするための「面出し」に使われます。広範囲のポケット加工や、レジンテーブルの一枚板の表面削りなどでも使用されることが多いです。

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ShopBotをものづくりに活かすために

ShopBotの良いところは、一台でいろんな加工に対応できること。とはいえ、ShopBotは「木材を切る機械」ではなく、「アイデアを形にするツール」であると認識しておくことも重要です。刃物の使い分けや加工の組み合わせによって、彫刻や精密加工、広範囲の削り出しなど、驚くほど多彩な表現が可能になるので、アイデア次第でShopBotの活用範囲は無限の可能性を秘めています。ぜひこの記事がShopBot、そしてEMARFの活用方法を考えるきっかけになると嬉しいです!

また、今回は刃物の使い分けによって広がる加工の可能性をご紹介しましたが、ShopBotは、木材だけでなく、アクリルやアルミなどにも対応できるほか、治具を活用し加工方法を工夫することで、異形状の加工も可能になるなど、無限の可能性を秘めています。

▶︎異素材の加工についてはこちらの記事をご覧ください!


▶︎治具については、また別の記事で紹介したいと思いますので、お楽しみに!

💡おまけ:ShopBotで多軸加工!?

3軸加工機であるShopBotは、同時3軸により立体曲面の切削も可能ですが、下より上が大きいオーバーハング形状や、木口側の加工、角度をもった加工などは治具なしですることはできません。このような加工を治具なしでやりたい場合、4軸や5軸などの多軸加工機を用いることになります。

ShopBot社で現在公式に販売されている5軸タイプはありませんが、3軸のCNCルーターを、木口加工、多軸加工、丸鋸加工などの各種専用加工に特化した機材として使えるようにするためのスピンドルヘッド「アグリゲートヘッド」を使用することで、多軸加工機でしかできない加工にも取り組むことができるようになるのです!使用にあたっていくつかハードルはあるものの、このような器具も、ShopBot加工の可能性を広げるひとつです。


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丸鋸を装着した様子

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